青森旅行の記録(1)青春18切符で福島–青森

青森へ一人旅してきた。

 

本当に実現するか自分でも怪しんでいた計画だったけど、その備忘録として、振り返りたいと思います。

 

今回、青春18切符を使って会津若松から青森まで行き、帰りは新幹線で帰ってくるという計画を立てていた。計画段階では、行けそうじゃない?と気楽だったけど、いざ青春18切符の販売開始期間になって具体的なことを調べていくと、いろいろと気になってくる。

 

行きだけで14時間ほどかかる。4時間でも長い。10時間もなかなか。それが二つ合わさって14時間。ちょっとさすがにやりすぎかなと思ったりもした。いろいろ悩んだけど、結局やってみた感想としては、素直に楽しかった。僕はもともと高速バスとかも平気な質なので、乗り継ぎの長い待ち時間には駅の外に出て歩き回れることを思えば、割と大丈夫だった。

ただ、途中の駅で特急に乗れるタイミングに出くわしたりすると、別料金だったとしてもこれに乗るのもいいかなあと思ったりしたのは確か。

 

ここから具体的に。

1日目に乗った駅は【会津若松〜新津〜新発田〜村上〜酒田〜秋田〜弘前】。

 

会津若松6:48発:新津9:27着の電車に乗り込む。始発はもっと早いのがあったが、新津から出る電車は変わりなく、ただ待ち時間が長くなるだけだったのでこの時間にした。それでも約1時間の待ち時間。調べてみると新津には結構気になる場所が多く、例えば【北方文化博物館】とか【県立植物園】とか。ただどちらも駅からやや遠かったので、今回は諦めた。県立植物園は実は一度いったことがあるが、3月にはチューリップの展示が行われてるらしく、かなり気になっている。

 

時間は10時少し前だったので、駅から徒歩10分かからないくらいの【珈琲倶楽部 新津店】で朝食。新津店とあるので、新潟県内か、このあたりでは何店舗かあるらしい。新潟版コメダみたいな感じかなと思った。モーニング580円だったかな?くらいで、おいしいし結構量もあり、感じの良い店員さんがテキパキと接客してくださってよかった。考えてみると平日の朝の時間だけどご近所の方か、すでに何組かいらっしゃって、結構愛されてるお店なんだなーとぼんやり。1時間の待ち時間はそこまで苦にならない。

 

新津10:38発:新発田11:08着の電車に乗る。新発田駅では待ち時間がそこまでなかったので、そのまま駅で待つ。新発田11:25発:村上12:04着へ。この待ち時間の間だったと思うが、特急いなほ号が過ぎていった。青春18切符では乗ることはできないが、プラス4000円くらい追加すれば、ここで一気に時間を短縮することもできる。今回は何も考えていなかったので、そのまま鈍行の旅を続けた。

 

村上駅に到着。ここの待ち時間が工程の中で1番長く、約1時間半くらい。時間がお昼時だったということもあり、20分くらい歩いて村上市街地?に行く。村上と言えば、駅の改札口にもかけられていたが塩引き鮭が有名である。焼き鮭は好きなので是非とも食べておきたいと思って、なんとなくだけどここは事前に調べておいた。【海鮮一鰭】を目指す。道を歩いて行くと、やはり地図を見ているだけとは随分違った印象を受ける。途中、懐かしいの【薬のコダマ】の天使の看板を見かけて嬉しくなった。大体が他のドラッグストアに取って代わられている。Abubuと書かれたあのティッシュペーパーが懐かしい。

商店街は建て替えなどが行われたのか綺麗な通りだった。途中、和菓子屋さんとか工芸品のお店などもあって気になったけど、時間が決まっているといち早く駅で安心していたいこともあって、あまり寄り道はしなかった。【海鮮一鰭】は、店内の奥の方に本棚がずらっと並んでいたり、カフェのような、でも大衆的な食堂のような、今思い返すとちょっと不思議な店内だったような気がする。ただ入った瞬間から、「あ、いい人な気がする」という感じの方に席を通され、焼き鮭と刺身の盛り合わせの定食をお願いした。はらこ飯もおそらく名物であるけど、それまで頭になかったので初志貫徹?で焼き鮭。お店はすでに結構人が入っていて、観光というよりはこのあたりで仕事をしている人らしい方が多かったような?割合出てくるのも早くてありがたかった。厚みのある焼き鮭で、しっかりと塩引きだなあという感じで、ご飯がすすむ。刺身も5種類くらいありどれも美味しい。ちょっと何か分からない(聞くこともしない)白味魚が、結構こってりとしていて特に美味しかった。副菜みたいな感じで魚卵と野菜を合わせたものがあり、プチプチというかファサファサというか、新鮮な食感で美味しかった。

食事を終えてお会計の時、僕の荒れた指に気づいたお店の方が「絆創膏いる?絆創膏いくらでもあるから…」と言ってくださった。恥ずかしさと申し訳なさで、いえ大丈夫です!とそそくさとお店を出てしまう。この時期に水を使う仕事をするとすぐ指が割れるし、爪の隙間についた汚れはなかなか落ちず、それが一見血のようにも見える場合もあって、驚かせてしまった。給仕の方は二人でなんとも安心感のあるペアで、しかもこんな気遣いをされて、めちゃいいお店だなと思った。

 

13:43村上発:16:16酒田着の電車へ。これまではまだ新潟県。ここから山形県に入る。新潟は長いなと改めて思う。山形県内では長い待ち時間を取る停車駅がないため、今回は街に出ることはできなかった。酒田の街も良さそうだからいつか行って見たい。鶴岡に近くなると鳥海山(たぶん)と月山(たぶん)が両側に見えてくる。とても大きな存在感のある山を二つも眺める場所になっている。乗り換えこそないものの、鶴岡では30分ほど停車することになっていたので、ここで外にでてもよかったと思うが、うっかりそのまま車内に居座ってしまった。

 

鶴岡駅のあたりで、線路は一度内陸に入って行くが、酒田に向けて再び日本海沿いを走る列車となる。海沿いには瓦屋根の民家が並ぶ地域もあり、屋根の調子が揃っていると、集落はこんなにも綺麗に見えるのだなと思う。線路と民家の境界がとてもあやふやな地続きになっていて少し心配になるが、おおらかな印象でもあって、それもまたいい。ごつごつとした岩がちな海岸線が見えると、おおっと気分が変わる。

 

酒田について16分ほどの待ち時間で、18:23秋田着の電車へ。このころには外は暗くなってくる。

 

秋田駅は1時間ほど待ち時間があったため、外に出て歩いてみる。改札を出ると赤と青の巨大ななまはげの仮面が出迎えてくれる。また、いたるところに秋田犬の写真。なまはげと秋田犬という強力なキャラクターを擁する秋田は強い。これは昔行った秋田料理のお店で見かけた秋田PRポスターでの印象だが、秋田のポスターがまた素晴らしくいい。今は変わっているかもしれないが、秋田犬を主役として、秋田の様々な名所や、なまはげなどのその他の名物を掛け合わせたもので、愛らしさや神々しさすら感じられ、それでいて洒落た雰囲気で本当に好き。駅の中には、秋田犬がひたすらかわいいだけの映像が流れているテレビがあって癒された。ここで立ち食いそばを食べようか悩んだが、迷っているうちに少し混んできたようだったのでやめておく。何気なく土産物売り場をみると、いぶりがっこ!そうだ、秋田にはいぶりがっこがある!お土産に少し買う。

 

秋田19:27発:弘前21:38着の電車。ここからついに今日の最終目的地である弘前へ向かう。

今回は内陸を通るルートだが、日本海側を走って弘前までつなぐ五能線は観光列車も走る路線として人気が高いそうで、これも季節が良い時に乗って見たいものだ。

この電車に乗ったあたりから、なんとなく、聞こえてくる言葉のイントネーションが変わってきたような気がする。すでに時間が夜に近づき、学校や会社帰りの方が多くなってきたこともあるだろう。僕にはすごく優しく聞こえるあの抑揚の大きな話し方は、とても魅力的だ。初めこそ結構乗っていた人は徐々に降りていき、弘前まで行く人はあまりいないようだ。途中の駅の大鰐温泉というがとても気になった。後から調べてみると、駅の近くには夜22時まで入れる日帰り温泉施設があるようで、これは組み込んでもよかったなと思った。今回はどこにも温泉にはいることができなかったから、ちょっと悔しいところではある。

 

定刻通り21:38弘前着。長かった!

雪が少ない今年ではあるけれど、青森はさすがに歩道が露出しているということがなく、普通のスニーカーはちょっと場違いな感じがした。シャーベット状になっていたり、凍結していたり、気をつけて歩く。宿泊は駅前の東横イン。本当は二日とも青森の予定だったが、二日目は弘前観光のつもりだったし、近い距離とも言えないので宿は急遽変更しておいた。これはそうしておいてよかった。久しぶりの外泊ということもあって、いろいろと勝手が変わっている。アメニティは部屋に設置されておらず、ロビーから各自必要なものを持っていくスタイルとなっている。晩御飯に何を食べていいかわからず、ぶらぶらと弘前の街を歩きながらマクドナルドへ向かう。なんとなく、徒歩で夜のマクドナルドに向かうのが変な感じ。大きな街だなというのが率直な印象。会津若松と同じように城下町で、歴史の街という雰囲気から同じような規模感を想像していたが、弘前の方が発展している感じがある。ちなみに人口は弘前17万人・会津若松11万人とのことだから、なるほど。